人事のAI活用|入社手続き・社内問い合わせ・評価面談の準備をAIで進める方法

このページで扱うのは、入社手続きの抜け漏れ確認、就業規則への問い合わせ対応、評価面談の準備、退職手続きの手順書づくりです。人事の作業ごとに、AIの使い方と貼って使える指示文をまとめました。評価や処遇の判断、労務の解釈は人が行います。

人事で時間を取られていること

  • 4月や10月の入社が重なる時期に、雇用契約書・社会保険・PC やアカウントの手配など、入社手続きの抜け漏れ確認に追われる
  • 「有給は何日残っている?」「育休の申請はいつまで?」など、就業規則を見れば分かる質問が毎日のように届く
  • 評価の時期になると、面談の日程調整と、目標シートや1on1 の記録を読み返す準備で手が回らなくなる
  • 研修資料や社内向けのお知らせを毎回ゼロから作っている
  • 退職者の手続きや貸与物の回収が、担当者ごとに進め方がばらばらになっている

作業ごとの使い方と指示文

1. 入社手続きのチェックリストと進み具合の管理

使う機能:ワークフロー
今のやり方
入社日が決まるたびに、去年の Excel をコピーして項目を直し、総務・情報システム・配属先に個別に依頼して、終わったかを聞いて回っています。
AI を使うと
「書類の回収 → 社会保険の手続き → アカウントと PC の手配 → 配属先の受け入れ準備 → 人事の最終確認」をワークフローにします。AI が入社者ごとに必要な項目を整理して各担当に渡し、最後に人事が承認します。足りないものがあれば承認の工程で差し戻せます。
指示文
次の入社予定者について、入社手続きのチェックリストを作ってください。雇用形態、入社日、配属先から、必要な書類、手続きの期限の目安、担当部署(人事・総務・情報システム・配属先)を表にしてください。期限は社内規程と社労士の案内で確認する前提で「目安」と書いてください。
入社予定者:山田(サンプル)/正社員/11月1日入社/営業部

2. 就業規則・社内制度への問い合わせ対応

使う機能:Wiki
今のやり方
社員からの質問に、就業規則の PDF を開いて該当の条文を探し、チャットで回答しています。同じ質問への回答が担当者によって少しずつ違うこともあります。
AI を使うと
就業規則、休暇の取り方、各種申請の手順を Wiki に置いておくと、AI が根拠のページを示しながら回答の下書きを作ります。個人ごとの残日数や個別の事情が絡む質問は、人事が確認して答えます。
指示文
Wiki の「就業規則」と「休暇・休職の申請手順」だけを根拠に、次の質問への回答の下書きを作ってください。根拠にした条文やページ名を必ず書いてください。個人の残日数や個別の事情によって答えが変わる場合は、断定せず「人事で確認してご連絡します」と書いてください。
質問:

3. 評価面談の準備資料づくり

使う機能:AIチャット
今のやり方
面談の前に、期初の目標シート、上長のメモ、1on1 の記録を1人ずつ読み返し、話すことを整理しています。人数が多いと準備だけで数日かかります。
AI を使うと
目標シートと1on1 の記録をもとに、AI が「期初の目標と、記録に残っている取り組み」を対応させた一覧と、面談で確認したい質問の案を作ります。評価の点数や処遇の判断は上長と人事が行います。
指示文
次の目標シートと1on1 の記録をもとに、評価面談の準備資料を作ってください。①目標ごとに、記録に残っている取り組みと結果 ②記録が少なく本人に確認したい点 ③面談で聞くとよい質問を5つ。評価の点数や良し悪しの判断は書かないでください。記録にないことは推測しないでください。

4. 人事制度の会議の決定事項をタスクにする

使う機能:議事録からタスク化
今のやり方
制度改定や採用計画の会議のあと、議事録から「誰がいつまでに何をするか」を拾い出して、手で一覧にしています。
AI を使うと
議事録を取り込むと、AI が決まったことをタスクにして、担当と期限の案を出します。人事が確認してから確定するので、会議後の宿題の抜けが減ります。
指示文
この議事録から、決まったことと次の作業をタスクにしてください。タスクごとに担当者と期限の案を出し、議事録の中で担当や期限が決まっていないものは「未定」としてください。

5. 毎月の勤怠・人数の動きのまとめ

使う機能:定期タスク
今のやり方
月初に、入社・退職・休職の人数や、残業の多い部署を各所から集めて、経営会議用の資料にまとめています。
AI を使うと
毎月の決まった日に、プロジェクトに置いた人数の一覧や勤怠の集計表から、前月との違いと気になる点を AI がまとめます。個人名を出す範囲は事前に決めておきます。
指示文
毎月3営業日目に、Wiki の「人員一覧」と今月アップロードした勤怠の集計表をもとに、次をまとめてください。①部署ごとの在籍人数と前月からの増減 ②入社・退職・休職の人数 ③月の残業時間が前月から大きく増えた部署。個人名は出さず、部署単位で書いてください。

6. 退職手続きの手順書づくり

使う機能:引き継ぎエージェント
今のやり方
退職の手続きはたまにしか発生しないため、そのたびに前回のメールを探したり、社労士に確認し直したりしています。
AI を使うと
引き継ぎエージェントが担当者に質問し、退職届の受け取りから、貸与物の回収、アカウント停止、最終給与の連絡までの流れを聞き取って、Wiki の手順書案とワークフロー案にまとめます。人が確認してから使います。
指示文
退職手続きの手順書を作りたいです。私に順番に質問して、退職届を受け取ってからの流れ、貸与物(PC・社員証・鍵など)の回収、アカウントの停止、社労士や給与担当への連絡のタイミングを聞き取ってください。法令上の期限は断定せず「社労士に確認」と書いて、Wiki の手順書の案にまとめてください。

始め方

  1. 1 まず就業規則や休暇の申請手順など、公開してよい社内ルールを Wiki に置く
  2. 2 AI に渡してよい情報と渡さない情報(マイナンバー、健康情報、評価の点数など)を決めて、担当者で共有する
  3. 3 社内問い合わせの回答の下書きを、AI チャットで1〜2週間試し、回答が規程とずれていないか確かめる
  4. 4 入社手続きを1件だけワークフローで回してみて、各部署の担当と順番を調整する
  5. 5 退職や休職など、たまにしか発生しない手続きを引き継ぎエージェントで手順書にしておく

AI に任せないこと・人が確かめること

  • マイナンバー、健康診断や病歴、家族の事情、評価の点数などの個人情報は、AI に渡すかどうかと、プロジェクトを見られる人の範囲を事前に決めてください
  • 評価・昇給・配置・懲戒などの判断は AI に任せません。AI の出力は面談や検討の準備資料として使います
  • 労働時間、休暇、社会保険などの法令や手続きの期限について、AI の答えで決めず、社労士や社内規程で確認してください
  • 個別の相談(ハラスメント、メンタルヘルス、休職など)は、AI ではなく担当者が直接受けてください
  • 社員に送るお知らせや回答は、人事が内容を確認してから送ります

AIチャット・ワークフロー・定期タスク・Wiki はフリープランから使えます(フリープランは 1 名まで、初期クレジット 500)。ミニアプリとブラウザエージェントはベーシックプラン(月額 20,000 円・税込)以上です。

よくある質問

人事の仕事で、AI に任せやすいのはどんな作業ですか?

手続きのチェックリスト化、規程に沿った問い合わせ回答の下書き、面談準備の資料整理など、「材料はそろっていて、まとめるのに時間がかかる」作業です。判断が入る部分は人が行い、その前の整理を AI に任せる形が向いています。

社員の個人情報を AI に読ませても大丈夫ですか?

社内のルールで扱いを決めてから使ってください。まずは個人を特定しない形(部署単位の集計など)や、就業規則のような公開してよい情報から始めるのがおすすめです。

AI が就業規則の解釈を間違えることはありますか?

あります。規程の書き方があいまいだったり、個別の事情が絡んだりすると、答えがずれることがあります。根拠のページを出させ、迷う質問は人事が確認し、必要に応じて社労士に相談してください。

料金プランはどれが必要ですか?

AIチャット・ワークフロー・定期タスク・Wiki はフリープランから使えます。フリープランは 1 名まで、初期クレジット 500(月ごとの配布はなし)です。ミニアプリとブラウザエージェントはベーシックプラン(月額 20,000 円・税込)以上です。

採用の仕事にも使えますか?

使えます。求人票の下書き、面接の質問案、選考の進み具合の整理などは、採用向けのページで詳しく紹介しています。