経理のAI活用|経費精算・請求書照合・月次まとめの使い方と指示文

月末月初の経費精算の山、請求書と入金の突き合わせ、毎月の数字のまとめ。経理で時間を取られる作業ごとに、AIでどう変わるかと、そのまま貼って使える指示文を並べました。事例紹介ではなく実務の手順です。仕訳の確定や税務の判断は人が行う前提です。

経理で時間を取られていること

  • 月末月初に経費精算の申請が集中し、領収書の日付・金額・勘定科目の確認だけで数日かかる
  • 請求書と入金明細の突き合わせが手作業で、振込手数料の差し引きや合算入金があると照合が止まる
  • 月次の数字を前月・前年同月と比べて社長向けにまとめる資料づくりが、毎月ほぼ同じ作業の繰り返しになっている
  • 「この経費は何で落とせばいい?」「交通費の締めはいつ?」といった社内からの同じ質問に何度も答えている
  • 締め処理の手順が担当者の頭の中にあり、休みや異動のたびに引き継ぎで苦労する

作業ごとの使い方と指示文

1. 経費精算の申請内容のチェック

使う機能:AIチャット
今のやり方
申請一覧を1件ずつ開き、社内規程と見比べて、上限超えの交際費、科目の選び間違い、日付の古い申請を目で探しています。差し戻しの理由も毎回手で書いています。
AI を使うと
申請一覧(CSV や表)を AI チャットに貼り、Wiki に置いた経費規程と照らして「確認が要りそうな申請」と理由を一覧にしてもらいます。差し戻しの文面の下書きも同時に作れます。最終判断は担当者が行います。
指示文
次の経費精算の一覧を、Wiki の「経費規程」と照らして確認してください。①規程の上限を超えていそうなもの ②勘定科目が合っていなさそうなもの ③利用日から2か月以上たっているもの、を表にして、それぞれ理由を1行で書いてください。差し戻す場合の申請者向けの短い文面も添えてください。

2. 請求書と入金明細の照合

使う機能:freee 連携
今のやり方
売掛金の一覧と銀行の入金明細を並べ、取引先名のカナ表記や振込手数料の差額を見ながら1件ずつ消し込み候補を探しています。
AI を使うと
freee 連携で取引先ごとの未入金の請求と入金の明細を AI が読み取り、金額と名義から対応しそうな組み合わせを提案します。手数料分の差額や合算入金らしきものは「要確認」として分けて出します。消し込みの登録は人が行います。
指示文
freee の今月の入金明細と、未入金の請求書の一覧を読み取って、対応しそうな組み合わせを表にしてください。金額が一致するもの、数百円の差(振込手数料の可能性)があるもの、複数の請求をまとめて払っていそうなもの、該当がないもの、の4つに分けてください。登録はしないでください。

3. 月次の数字のまとめと前月比のコメント

使う機能:定期タスク
今のやり方
試算表を出力して Excel に貼り、売上・粗利・販管費を前月・前年同月と比べ、増減の大きい科目の理由を調べてコメントを書いています。
AI を使うと
毎月の決まった日に、freee の数字をもとに前月比・前年同月比の表と、増減が大きい科目の一覧を AI がまとめます。経理担当は理由の確認とコメントの仕上げに時間を使えます。
指示文
毎月5営業日目に、freee の前月の試算表を読み取って次をまとめてください。①売上・売上総利益・販管費・営業利益の前月比と前年同月比 ②前月から20%以上、または10万円以上増減した科目と金額 ③確認が必要そうな点の箇条書き。数字は freee の値をそのまま使い、推測で埋めないでください。

4. 社内・取引先からの問い合わせへの回答

使う機能:Wiki
今のやり方
「出張の日当は出る?」「請求書の送り先は?」「支払いは何日締めの何日払い?」といった質問に、毎回チャットやメールで個別に答えています。
AI を使うと
経費規程、支払いサイト、請求書の宛先などを Wiki にまとめておくと、AI が Wiki を読んで回答の下書きを作ります。規程にない質問は「経理に確認」と返すように書いておけば、あいまいな答えを防げます。
指示文
Wiki の「経費規程」と「支払い・請求のルール」だけを根拠に、次の質問への回答の下書きを作ってください。Wiki に書いていないことは推測せず、「経理担当に確認します」と書いてください。根拠にしたページ名も添えてください。
質問:

5. 月次締めの手順書の整備

使う機能:引き継ぎエージェント
今のやり方
締めの手順は前任者のメモや Excel のチェックリストに散らばっていて、どの順番で何を確認するかが担当者によって違います。
AI を使うと
引き継ぎエージェントが担当者に順番に質問し、締め日、未払・未収の計上、減価償却、立替金の精算などの手順を聞き取って Wiki の手順書案にまとめます。既存のチェックリストの Excel も読ませられます。人が確認・承認してから公開します。
指示文
月次締めの手順書を作りたいです。私に順番に質問して、締め日、売上と仕入の計上基準、未払・未収の扱い、立替金と仮払金の精算、試算表を確認するときの見どころを聞き取ってください。最後に Wiki の手順書の案と、毎月の締めで使えるチェックリストにまとめてください。

6. 支払い予定の確認と承認の流れ

使う機能:ワークフロー
今のやり方
請求書を受け取ったら、金額と支払期日を一覧に転記し、上長に回して承認をもらってから振込の準備をしています。誰で止まっているかが見えにくいです。
AI を使うと
「請求書の内容確認(AI)→ 部門長の承認 → 経理の最終確認」をワークフローにします。AI が発注内容との違いや支払期日を整理して承認者に渡し、承認の工程で差し戻せます。振込そのものは人が行います。
指示文
受け取った請求書の内容を確認してください。取引先名、請求金額(税込・税抜)、支払期日、振込先を表にし、課題に書いてある発注金額と違いがあれば指摘してください。承認者向けに「確認してほしい点」を3行以内でまとめてください。

始め方

  1. 1 経費規程、支払いサイト、締め日など、よく聞かれるルールを Wiki に1ページずつ置く
  2. 2 まずは AI チャットで、経費精算の一覧のチェックを1か月分だけ試し、指摘が規程どおりか確かめる
  3. 3 freee を接続し、読み取りだけで月次の数字のまとめを1回作ってみる(登録や修正は人が行う)
  4. 4 うまくいった作業を定期タスクにし、毎月同じ日にまとめが出てくるようにする
  5. 5 締めの手順を引き継ぎエージェントで聞き取り、手順書とチェックリストを整える

AI に任せないこと・人が確かめること

  • 仕訳の確定、勘定科目の最終判断、消し込みの登録は人が行います。AI の提案は確認のための候補です
  • 消費税の区分やインボイスの要件、税務上の扱いは AI の答えで決めず、顧問税理士や社内規程で確認してください
  • AI がまとめた数字は、元の試算表や freee の画面と照らしてから社内に出してください
  • 給与や個人の口座情報など、扱う人を限るべき情報は、AI に渡す範囲と閲覧できる人を決めておきます
  • 取引先への支払いや入金の連絡など、外に出る文面は担当者が読んでから送ります

AIチャット・ワークフロー・定期タスク・Wiki はフリープランから使えます(フリープランは 1 名まで、初期クレジット 500)。ミニアプリとブラウザエージェントはベーシックプラン(月額 20,000 円・税込)以上です。

よくある質問

経理の AI 活用は何から始めるのがよいですか?

毎月同じ形で発生し、確認の基準がはっきりしている作業からがおすすめです。経費精算のチェックや月次の数字のまとめは、規程や前月の数字と比べるだけなので試しやすく、結果の良し悪しも判断しやすいです。

freee の帳簿を AI が書き換えることはありますか?

このページで紹介している使い方では、freee 連携は数字の読み取りと集計・確認に使います。仕訳の登録や修正は人が freee で行ってください。

AI の答えが規程と違っていたらどうなりますか?

AI は Wiki に書いた内容を根拠に答えるため、規程が古い・書き方があいまいだと答えもずれます。根拠にしたページ名を出させ、おかしいときは Wiki の側を直すと、次から答えがそろいます。

料金プランはどれが必要ですか?

AIチャット・ワークフロー・定期タスク・Wiki はフリープランから使えます。フリープランは 1 名まで、初期クレジット 500(月ごとの配布はなし)です。ミニアプリとブラウザエージェントはベーシックプラン(月額 20,000 円・税込)以上です。

経理担当が1人でも使えますか?

使えます。1人で回している経理ほど、問い合わせ対応や月次のまとめを AI に下書きさせる効果を感じやすいです。手順書を Wiki に残しておくと、休むときの代わりの人も動きやすくなります。