事務のAI活用|データの整理・転記・書類の下書きをAIで進める方法

ルールは決まっているのに手数が多い。表記ゆれ直し、受注の転記、送付状の作成はその代表です。事務の作業ごとに、AIへの頼み方を実際の指示文つきで紹介します。数字と宛先の最終確認は人が行う前提です。

事務で時間を取られていること

  • 部署ごとに書き方が違う顧客リストを1つにまとめるとき、「(株)」と「株式会社」、全角と半角などの表記ゆれ直しに時間がかかる
  • 受注のたびに、注文内容を社内の様式に書き写し、在庫・出荷・請求の各担当に回している
  • 送付状、案内文、お詫び文など、毎回少しずつ違う定型文書をゼロから書いている
  • 取引先の Web の管理画面や受発注サイトに、手元の表から1件ずつ転記している
  • 自分しか知らない処理が多く、休むと仕事が止まる

作業ごとの使い方と指示文

1. 顧客リスト・名簿の表記ゆれ直し

使う機能:AIチャット
今のやり方
複数の Excel を1つにまとめ、会社名の「(株)」「株式会社」、住所の丁目の書き方、電話番号のハイフンを1行ずつ目で直し、重複を探しています。
AI を使うと
表を AI チャットに貼り、表記のルールを伝えると、そろえた表と「同じ会社かもしれない行」の候補を出します。統合するかどうかは事務担当が判断します。
指示文
次の顧客リストの表記をそろえてください。ルール:会社名は「株式会社」を正式表記にして前株・後株は元のまま、英数字は半角、電話番号はハイフン区切り、住所の番地は「1-2-3」形式。そのうえで、会社名や電話番号から同じ会社の可能性がある行を別の表にしてください。統合はしないでください。

2. 受注内容の確認と社内への回付

使う機能:ワークフロー
今のやり方
注文書の内容を受注票に書き写し、在庫の担当、出荷の担当、請求の担当にそれぞれ連絡して、終わったかを確認しています。
AI を使うと
「注文内容の整理(AI)→ 在庫・納期の確認(担当者)→ 出荷手配 → 請求の準備」をワークフローにします。AI が注文の要点と、過去の注文との違いをまとめて次の担当に渡します。数量や単価に疑問があれば、確認の工程で差し戻せます。
指示文
次の注文内容を受注票の形に整理してください。項目は、取引先名、注文日、品番、品名、数量、単価、希望納期、納品先です。前回の注文と比べて数量や単価が大きく違うもの、記載が足りない項目があれば「要確認」として最後にまとめてください。

3. 送付状・案内文・お詫び文の下書き

使う機能:Wiki
今のやり方
過去の文書をフォルダから探してコピーし、宛先や日付、用件を書き換えています。季節のあいさつや敬語の確認にも時間がかかります。
AI を使うと
Wiki に社内の文書の型(送付状、日程の案内、納期遅れのお詫びなど)を置いておくと、AI が用件に合わせて下書きを作ります。宛名・日付・数字は事務担当が確認して仕上げます。
指示文
Wiki の「社外文書の型」にある送付状の形で、次の内容の送付状を作ってください。宛先:サンプル商事 総務部 山田(サンプル)様/同封物:請求書1部、納品書1部/用件:10月分のご請求。時候のあいさつは10月に合うものにしてください。

4. Web の管理画面・受発注サイトへの転記

使う機能:ブラウザエージェント(ベーシック以上)
今のやり方
取引先が指定する受発注サイトや、社内の管理画面に、Excel の内容を1件ずつ手で入力しています。件数が多い日は半日つぶれます。
AI を使うと
ブラウザエージェントが画面を操作し、手元の表の内容を入力欄に入れるところまで手伝います。登録ボタンを押す前に、事務担当が入力内容を画面で確認します。
指示文
受発注サイトの「出荷予定の登録」画面を開き、添付した表の1行目から5行目までの内容を、品番・数量・出荷予定日の欄に入力してください。登録ボタンは押さずに、入力した画面を見せて止まってください。

5. 毎週の集計表の作成

使う機能:定期タスク
今のやり方
毎週月曜に、先週の受注件数や問い合わせ件数を各所の表から拾って、決まった形の集計表に転記しています。
AI を使うと
毎週の決まった時間に、プロジェクトに置いた表や課題を AI が読み、先週分の件数を集計して、前週との違いを添えた表にします。
指示文
毎週月曜の9時に、受注プロジェクトの課題を読んで、先週(月〜日)の受注件数、取引先別の件数、キャンセル件数を表にしてください。前の週との差も載せてください。

6. 自分しか知らない処理の手順書づくり

使う機能:引き継ぎエージェント
今のやり方
手順は自分の頭の中か、個人のメモにしかありません。書こうと思っても、何から書けばいいか分からず後回しになっています。
AI を使うと
引き継ぎエージェントが質問しながら、毎日・毎週・毎月の作業と、その手順を聞き取ります。手元の Excel やマニュアルの Word も読ませられ、Wiki の手順書と定期タスクの案にまとめます。人が確認・承認してから使います。
指示文
私の事務作業の手順書を作りたいです。毎日・毎週・毎月の作業に分けて、順番に質問してください。使っている表やシステム、誰から何を受け取って誰に渡すか、間違えやすいところも聞いてください。最後に Wiki の手順書の案にまとめてください。

始め方

  1. 1 一日の作業を書き出し、「毎回同じ形」「ルールで決まる」作業に印を付ける
  2. 2 表の整形や文書の下書きなど、AI チャットに貼るだけで試せるものから1つ始める
  3. 3 社外文書の型や、よく使う表の書き方のルールを Wiki に置く
  4. 4 毎週の集計など、決まった日の作業を定期タスクにする
  5. 5 引き継ぎエージェントで自分の手順書を作り、休みの日の代わりを頼める状態にする

AI に任せないこと・人が確かめること

  • 金額・数量・宛先・日付は、AI の出力をそのまま使わず、元の書類と照らして確認してください
  • ブラウザエージェントでの入力は、登録・送信の前に人が画面を確認します
  • 顧客の名前や連絡先などの個人情報を扱う表は、AI に渡す範囲と、見られる人の範囲を決めてから使ってください
  • 取引先に出す文書は、事務担当か上長が読んでから送ります
  • 重複データの統合や削除は、AI の候補をもとに人が判断します

AIチャット・ワークフロー・定期タスク・Wiki はフリープランから使えます(フリープランは 1 名まで、初期クレジット 500)。ミニアプリとブラウザエージェントはベーシックプラン(月額 20,000 円・税込)以上です。

よくある質問

事務の仕事で、AI がいちばん役に立つのはどこですか?

表の整形や表記ゆれ直し、定型文書の下書きのように、ルールははっきりしているのに手数が多い作業です。ルールを文章で伝えられれば、AI に任せやすくなります。

紙の注文書や FAX も読み取れますか?

このページで紹介している使い方は、すでに文字になっている表や文章を扱うものです。紙の書類は、文字の内容を表や文章にしてから AI に渡してください。

パソコンが得意でなくても使えますか?

使えます。指示は普段の日本語で書けば大丈夫です。このページの指示文をそのまま貼り、自分の作業に合わせて言葉を少し変えるところから始めてください。

料金プランはどれが必要ですか?

AIチャット・ワークフロー・定期タスク・Wiki はフリープランから使えます。フリープランは 1 名まで、初期クレジット 500(月ごとの配布はなし)です。ミニアプリとブラウザエージェントはベーシックプラン(月額 20,000 円・税込)以上です。