カスタマーサポートのAI活用|FAQ整備・問い合わせ分類・回答下書きの使い方と指示文

同じ質問に何度も答える、問い合わせの傾向を月末に数え直す、FAQが古いまま残る。サポート担当の作業ごとに、AIでどう変わるかと貼って使える指示文をまとめました。お客様への返信は担当者が確認して送ります。

カスタマーサポートで時間を取られていること

  • 同じ内容の問い合わせに、過去の回答を探しながら毎回文面を作っている
  • よくある質問のページが製品の変更に追いつかず、古い答えのまま残っている
  • 問い合わせの種類や件数を月末に手で数え直し、開発や営業への報告が遅れる
  • ベテランしか知らない対応のコツや例外の扱いが、手順書になっていない
  • 込み入った問い合わせの経緯がチャットとメールに分かれていて、担当交代のときに追えない

作業ごとの使い方と指示文

1. 回答の下書き

使う機能:Wiki
今のやり方
問い合わせを読んで、過去の回答や手順書を検索し、言い回しを整えて返信を書いている。新人は確認に時間がかかる。
AI を使うと
製品の手順書や回答のルールをWikiに置いておくと、AIが問い合わせ内容に合わせて回答の下書きを作ります。根拠にしたWikiのページも示させれば、担当者は内容の確認と、お客様の状況に合わせた一言の追加に集中できます。
指示文
次の問い合わせへの回答の下書きを作ってください。Wikiの製品マニュアルと「回答の書き方ルール」に沿い、根拠にしたWikiのページ名を最後に書いてください。Wikiに書かれていないことは推測で答えず、【担当者確認】として残してください。

(問い合わせ本文を貼り付け。氏名・連絡先・契約番号は伏せる)

2. よくある質問の整備

使う機能:定期タスク
今のやり方
FAQの見直しは手が空いたときに行うため、新しい質問が載らず、仕様変更後も古い答えが残っている。
AI を使うと
毎月、その月の問い合わせの記録とFAQを突き合わせ、追加したほうがよい質問、答えが古くなっていそうな項目を挙げる作業を定期タスクにできます。公開する前の内容確認は担当者と製品の担当が行います。
指示文
毎月5日に、先月の問い合わせ記録とWikiの「よくある質問」を読み比べてください。3件以上あったのにFAQにない質問を、質問文と回答の下書きの形で挙げてください。最近のリリースノートと食い違っていそうなFAQの項目も一覧にしてください。

3. 問い合わせの分類と月次の傾向

使う機能:Slack の会話の取り込み
今のやり方
問い合わせを「操作方法」「不具合」「請求」などに手で振り分け、月末に件数を数えて報告資料を作っている。
AI を使うと
サポートチャンネルの会話を取り込むと、AIが問い合わせを種類ごとに分類し、件数と増えている話題をまとめます。開発チームへの報告に使える「不具合の疑いがあるもの」の一覧も作れます。分類のずれは担当者が直します。
指示文
取り込んだサポートチャンネルの先月の会話から、問い合わせを「操作方法」「不具合の疑い」「請求・契約」「要望」「その他」に分類し、件数を表にしてください。前月より増えた話題を3つ挙げ、「不具合の疑い」は発生日と内容を一覧にしてください。お客様の個人名や会社名は書かないでください。

4. エスカレーションの流れを揃える

使う機能:ワークフロー
今のやり方
一次対応で答えられない問い合わせを、担当者がその都度チャットで開発や営業に相談していて、誰が持っているのかがわからなくなる。
AI を使うと
AIが問い合わせ内容を要約して論点を整理し、担当部署の確認、サポート責任者の承認と進めるワークフローを作れます。差し戻しもできるので、止まっている問い合わせが見えるようになります。
指示文
サポートのエスカレーション用ワークフローを作りたいです。1. AIが問い合わせを要約し、再現手順と確認したいことを整理する、2. 開発担当が調査結果を記入する、3. サポート責任者が回答方針を承認する(差し戻し可)、の順にしてください。各工程で必要な入力項目も提案してください。

5. 込み入った問い合わせの調査

使う機能:AIに課題を任せる
今のやり方
複数回のやり取りが続く問い合わせは、過去の記録や関連する不具合の情報を集め直して状況を整理するのに時間がかかる。
AI を使うと
調査を課題としてAIに任せると、どの記録を読んで何を確かめるかの計画が出ます。承認すると、経緯の時系列、関連する手順書や既知の不具合、次にお客様へ確認すべきことをまとめて報告します。
指示文
この課題に紐づく問い合わせについて、これまでの経緯を時系列で整理してください。Wikiの既知の不具合一覧と製品マニュアルから関連しそうな項目を挙げ、次にお客様へ確認すべきことを3つ提案してください。お客様への回答文はまだ作らないでください。

6. 新人向けの対応手順書づくり

使う機能:引き継ぎエージェント
今のやり方
例外的な対応(返金の相談、解約の引き止めをしない場合の案内など)はベテランに聞くしかなく、新人が独り立ちするまで時間がかかる。
AI を使うと
引き継ぎエージェントがベテランに順番に質問し、問い合わせの種類ごとの対応手順と判断の目安をWikiの手順書案にまとめます。既存のExcelのFAQ集なども読ませられます。案は責任者が確認してから使います。
指示文
サポート業務の手順書を作りたいです。私に順番に質問して、問い合わせの受付から回答までの流れ、種類ごとの対応のしかた、上長に相談すべきケース、よくある例外の扱いを聞き取り、Wikiの手順書の案にまとめてください。

始め方

  1. 1 まずAIに渡す情報のルール(氏名・連絡先・契約番号は伏せる、など)を決めます
  2. 2 製品マニュアルと回答の書き方ルールをWikiに置きます
  3. 3 件数の多い問い合わせ1種類で、AIに回答の下書きを作らせてみます
  4. 4 Slack の会話の取り込みを設定し、月次の分類と傾向をまとめてみます
  5. 5 FAQの見直しを定期タスクにして、毎月の更新を習慣にします

AI に任せないこと・人が確かめること

  • お客様への返信は、AIの下書きを担当者が確認してから、人の手で送ります
  • お客様の氏名・連絡先・契約内容などの個人情報は、社内の個人情報の取り扱いルールに沿って扱い、AIに渡す範囲を必要な分に絞ります
  • 返金・補償・契約変更など、お金や約束に関わる回答はAIに判断させず、責任者が決めます
  • Wikiに根拠がない内容をAIが答えていないか、根拠のページと照らして確認します
  • FAQや手順書を公開・更新するときは、製品の担当者が内容を確認してから行います

AIチャット・ワークフロー・定期タスク・Wiki はフリープランから使えます(フリープランは 1 名まで、初期クレジット 500)。ミニアプリとブラウザエージェントはベーシックプラン(月額 20,000 円・税込)以上です。

よくある質問

AIがお客様に直接返信しますか?

しません。このページで紹介しているのは、AIが回答の下書きを作り、担当者が確認して送る使い方です。

AIが間違った回答を作ることはありませんか?

あります。手順書をWikiに置いて根拠のページを示させ、Wikiにないことは推測しないよう指示文で指定すると、確認がしやすくなります。最終的な確認は担当者が行ってください。

料金プランはどうなっていますか?

AIチャット・ワークフロー・定期タスク・Wiki はフリープランから使えます。フリープランは 1 名まで、初期クレジット 500(月ごとの配布はなし)です。ミニアプリとブラウザエージェントはベーシックプラン(月額 20,000 円・税込)以上です。

問い合わせがメールで届く場合も使えますか?

メールの本文をAIチャットに貼り付ければ、回答の下書きや分類に使えます。チーム内の相談をSlackで行っている場合は、その会話を取り込んで傾向の把握に使えます。