情報システムのAI活用|アカウント手続き・社内問い合わせ・手順書づくりの使い方と指示文

入社のたびにアカウントを作り、退職のたびに止め、「パスワードを忘れた」「プリンターが動かない」に答え続ける。少人数の情シスが抱える作業ごとに、AIの使い方とそのまま使える指示文をまとめました。

情報システムで時間を取られていること

  • 入社・異動・退職のたびに、メール・チャット・クラウドサービスのアカウント作成や停止を手順書なしで行っている
  • パスワードの再設定、VPNの接続、プリンターの設定など、同じ質問に何度も答えている
  • 社内向けの手順書が古いまま残り、画面が変わったサービスの説明が合っていない
  • 利用しているSaaSの一覧や契約の更新日、管理者が誰かが、担当者の手元のExcelにしかない
  • ひとり情シスで、休むと誰も対応できない状態が続いている

作業ごとの使い方と指示文

1. アカウント手続きの手順をそろえる

使う機能:ワークフロー
今のやり方
入社・退職の連絡を受けてから、どのサービスのアカウントを作る・止めるかを記憶とメモを頼りに確認している。漏れに後から気づく。
AI を使うと
人事からの依頼、AIによる対象サービスのチェックリスト作成、情シスの作業、上長の確認をワークフローにつなげられます。サービスごとの作業はWikiの手順を見ながら人が行い、どこまで終わったかが工程に残ります。
指示文
入退社のアカウント手続きのワークフローを作りたいです。1. 人事が氏名・部署・入社日または退職日を入力、2. AIがWikiの「利用サービス一覧」から部署に応じた対象サービスのチェックリストを作る、3. 情シスが各サービスで作業して完了を記入、4. 情シスの責任者が確認(差し戻し可)、の順にしてください。

2. 社内からの問い合わせ対応

使う機能:Wiki
今のやり方
チャットやメールで届く「パスワードを忘れた」「共有フォルダが見えない」に、その都度手を止めて答えている。
AI を使うと
社内向けの手順書をWikiに置いておくと、社員がAIに質問して、手順書に沿った答えを自分で得られます。手順書で解決しない問い合わせだけが情シスに届くので、手を止められる回数が減ります。
指示文
Wikiの社内IT手順書を読んで答えてください。在宅勤務中にVPNにつながらなくなりました。確認する順番を教えてください。手順書に書かれていないことは推測で答えず、情シスに問い合わせるよう案内してください。

3. 社内向け手順書の下書き

使う機能:AIチャット
今のやり方
画面を見ながら操作手順を書き起こし、社員にわかる言葉に直すのに時間がかかる。サービスの画面が変わるたびに書き直しが必要になる。
AI を使うと
管理者向けのメモや操作の流れを箇条書きで渡すと、AIが社員向けのやさしい言葉で手順書の下書きを作ります。つまずきやすい点やよくある質問の欄も加えられます。公開前に情シスが実際の画面と照らして確認します。
指示文
次の操作メモをもとに、社員向けの「共有ドライブへのファイル保存のしかた」の手順書を下書きしてください。専門用語はできるだけ使わず、1手順1文にしてください。最後に、よくあるつまずきと対処を3つ書いてください。画面の名前やボタン名はメモの表記のまま使ってください。

(操作メモを貼り付け)

4. 問い合わせの傾向をつかむ

使う機能:Slack の会話の取り込み
今のやり方
どんな問い合わせが多いかは感覚でしかわからず、手順書を整備する優先順位を決められない。
AI を使うと
社内のIT相談チャンネルを取り込むと、AIが問い合わせを種類別に分け、多い順に並べます。手順書がない話題、手順書があっても問い合わせが減らない話題も挙げられるので、次に何を整備するかを決めやすくなります。
指示文
取り込んだIT相談チャンネルの過去3か月の会話を、アカウント・パスワード、PC・周辺機器、ネットワーク、クラウドサービス、その他に分類し、件数の多い順に表にしてください。Wikiに手順書がない話題を挙げ、手順書を作る優先順位の案を出してください。

5. 契約更新と棚卸しの定期確認

使う機能:定期タスク
今のやり方
SaaSの契約更新日やライセンス数の見直しを忘れがちで、使っていないアカウントの費用を払い続けていることがある。
AI を使うと
毎月決まった日に、Wikiの利用サービス一覧を読んで、翌月に更新日が来る契約と、確認が必要な項目をまとめる作業を定期タスクにできます。解約や変更の判断と手続きは担当者が行います。
指示文
毎月1日に、Wikiの「利用サービス一覧」を読み、翌月中に契約更新日が来るサービスを一覧にしてください。サービスごとに、契約しているライセンス数、管理者、前回の見直し日を並べ、確認すべきこと(利用人数との差、プランの見直し)を書いてください。

6. ひとり情シスの業務を引き継げる形にする

使う機能:引き継ぎエージェント
今のやり方
サーバーやネットワークの設定、業者の連絡先、トラブル時の対応が担当者の頭の中にあり、休みや退職のときに困る。
AI を使うと
引き継ぎエージェントが担当者に順番に質問し、日々の作業・月次の作業・トラブル時の対応をWikiの手順書と定期タスクの案にまとめます。既存の構成図や管理表(Excel・PDF)も読ませられます。案は人が確認してから使います。
指示文
情シスの業務を手順書にしたいです。私に順番に質問して、毎日・毎月の作業、入退社の手続き、利用サービスと管理者、ネットワークや機器の構成、トラブル時の連絡先と対応を聞き取り、Wikiの手順書と定期タスクの案にまとめてください。パスワードそのものは聞かず、保管場所だけを記録してください。

始め方

  1. 1 まず利用しているサービスの一覧(サービス名・管理者・契約更新日)をWikiに作ります
  2. 2 よく聞かれる問い合わせを3つ選び、手順書をAIチャットで下書きしてWikiに置きます
  3. 3 社員に「まずAIに聞いてみて」と案内し、手順書で解決しない質問を集めます
  4. 4 入退社のアカウント手続きをワークフローにして、次の入社から使ってみます
  5. 5 契約更新の確認を定期タスクにし、棚卸しを毎月の習慣にします

AI に任せないこと・人が確かめること

  • パスワード、APIキー、管理者アカウントの認証情報はAIに渡さず、WikiやAIへの指示文にも書きません
  • アカウントの作成・削除・権限の変更は、AIのチェックリストをもとに人が操作し、作業結果を確認します
  • 社員の氏名や所属などの個人情報を扱う手続きは、社内の個人情報の取り扱いルールに沿って行います
  • セキュリティ事故の疑いがあるときの判断はAIに任せず、社内規程に沿って責任者や専門業者に相談します
  • AIが下書きした手順書は、公開する前に実際の画面と照らし合わせて確認します

AIチャット・ワークフロー・定期タスク・Wiki はフリープランから使えます(フリープランは 1 名まで、初期クレジット 500)。ミニアプリとブラウザエージェントはベーシックプラン(月額 20,000 円・税込)以上です。

よくある質問

AIがアカウントの作成や削除まで自動でしてくれますか?

このページで紹介しているのは、AIが対象サービスのチェックリストや手順を整え、作業は人が行う使い方です。権限に関わる操作は人が確認しながら行ってください。

社員がAIに質問したとき、間違った答えが返ることはありませんか?

ありえます。Wikiの手順書をもとに答え、手順書にないことは情シスへ問い合わせるよう案内させる指示にしておくと、誤った案内を減らせます。

料金プランはどうなっていますか?

AIチャット・ワークフロー・定期タスク・Wiki はフリープランから使えます。フリープランは 1 名まで、初期クレジット 500(月ごとの配布はなし)です。ミニアプリとブラウザエージェントはベーシックプラン(月額 20,000 円・税込)以上です。

専任の情シスがいない会社でも使えますか?

使えます。総務などが兼務している場合こそ、手順書をWikiにまとめておくと、担当者がいないときでも社員が自分で調べられるようになります。