営業のAI活用|商談準備・提案書の下書き・週次の案件報告に使える指示文

商談前の下調べ、提案書のつぎはぎ、金曜の案件報告の集計。営業の手間がかかる場面を一つずつ取り上げ、AIに頼むと何が変わるか、どう指示すればよいかを具体的に書きました。価格や約束ごとの判断は営業担当が行います。

営業で時間を取られていること

  • 初回の商談前に、相手企業のサイトやニュースを読んで質問を考える準備に毎回1時間近くかかる
  • 提案書を過去の資料からつぎはぎで作り、相手の課題に合わせた言い回しに直すのに時間を取られる
  • 商談メモが個人のノートやチャットに散らばり、次に何をするかが抜けたり、上長が状況をつかめなかったりする
  • 週次の営業会議の前に、案件ごとの進み具合と見込み金額を一覧にまとめ直す作業が毎週発生する
  • 値引きや特別条件の見積もりを、誰の承認を取ったかが記録に残っていない

作業ごとの使い方と指示文

1. 初回商談の準備(相手企業の下調べと質問づくり)

使う機能:ブラウザエージェント(ベーシック以上)
今のやり方
相手企業のサイト、採用ページ、プレスリリースを開いて読み、事業の中身と課題を想像しながら、商談で聞くことをメモしています。
AI を使うと
ブラウザエージェントが相手企業の公開ページを確認し、事業内容、最近の動き、採用している職種などを要約します。その上で、自社のサービスに関係しそうな課題の仮説と、商談で確かめる質問の案を作ります。内容は営業担当が確かめてから使います。
指示文
サンプル商事の公式サイトと、公開しているお知らせ・採用ページを確認して、①事業の概要 ②直近1年の主な動き ③募集している職種、を要約してください。そのうえで、当社サービスに関係しそうな課題の仮説を3つと、初回商談で確かめる質問を5つ作ってください。出典にしたページの URL も書いてください。

2. 提案書のたたき台づくり

使う機能:AIチャット
今のやり方
似た業種の過去の提案書を探してコピーし、会社名や数字を差し替え、相手の課題に合わせて構成を組み直しています。
AI を使うと
Wiki に置いた製品資料、料金表、過去の提案の型をもとに、AI が商談メモの課題に沿った提案書の構成と本文の下書きを作ります。営業担当は相手に合わせた表現と数字の確認に集中できます。
指示文
Wiki の「製品資料」と「提案書の型」をもとに、次の商談メモの課題に合わせた提案書のたたき台を作ってください。構成は①現状の課題 ②解決の方針 ③導入の進め方 ④費用の考え方 ⑤次のステップ。料金は Wiki の料金表にある値だけを使い、値引きや特別な条件は書かないでください。
商談メモ:

3. 商談後のメモから次の打ち手を整理する

使う機能:議事録からタスク化
今のやり方
商談の議事メモを見返して、宿題(資料送付、見積もり、社内確認)を自分の手帳に書き出しています。チームで共有されず、抜けることがあります。
AI を使うと
商談の議事録を取り込むと、AI が宿題をタスクにして、担当と期限の案を出します。営業担当が確認して確定すれば、上長も同じ一覧で進み具合を追えます。
指示文
この商談の議事録から、当社側の宿題と、相手側の宿題をそれぞれタスクにしてください。当社側のタスクには担当と期限の案を付け、議事録で期限が決まっていないものは「要確認」としてください。最後に、次回の商談までに確認しておくことを3つ挙げてください。

4. 週次の案件報告のまとめ

使う機能:定期タスク
今のやり方
毎週金曜に、案件ごとのフェーズ、見込み金額、受注予定月を各自から集めて Excel にまとめ、会議資料にしています。
AI を使うと
毎週の決まった時間に、AI がプロジェクトの課題(案件)を読み、フェーズが進んだ案件、止まっている案件、今月の受注見込みを一覧にします。会議では数字を集める時間ではなく、次の打ち手の相談に時間を使えます。
指示文
毎週金曜の15時に、営業プロジェクトの課題を読んで、次をまとめてください。①今週フェーズが進んだ案件 ②2週間以上更新がない案件 ③今月・来月の受注見込み金額の合計と案件名。金額は課題に書いてある値だけを使い、書いていない案件は「金額未入力」と分けてください。

5. 値引き・特別条件の見積もり承認

使う機能:ワークフロー
今のやり方
通常と違う条件の見積もりは、チャットで上長に相談して口頭で OK をもらい、そのまま出しています。後から経緯をたどれません。
AI を使うと
「見積もり内容の整理(AI)→ 営業マネージャーの承認 → 必要に応じて経営層の承認」をワークフローにします。AI が通常価格との差、粗利への影響、条件の理由を整理して承認者に渡し、承認の工程で差し戻せます。
指示文
次の見積もりの内容を、承認者向けに整理してください。①通常の料金表との違い(値引き率・特別条件) ②粗利への影響の目安 ③営業担当が書いた理由の要約。確認してほしい点があれば最後に箇条書きにしてください。

6. Slack の相談から案件の動きを拾う

使う機能:Slack の会話の取り込み
今のやり方
顧客対応の相談や、技術担当とのやり取りが Slack のチャンネルに流れていき、案件の記録に反映されないまま埋もれています。
AI を使うと
Slack の会話を取り込んでおくと、案件名で検索したり、AI に「この1週間で動きがあった案件」と宿題を拾い出させたりできます。拾った宿題は課題にして担当を決めます。
指示文
取り込んだ Slack の #sales-相談 チャンネルの直近1週間の会話から、案件ごとに①話題になったこと ②決まったこと ③まだ対応していない宿題、を整理してください。宿題は課題にする候補として、担当者の案を付けてください。

始め方

  1. 1 製品資料、料金表、よくある質問への回答を Wiki にまとめ、AI が根拠にできるようにする
  2. 2 次の商談1件で、議事録からのタスク化と提案書のたたき台を試してみる
  3. 3 案件を課題として登録し、フェーズと見込み金額の書き方をチームでそろえる
  4. 4 週次の案件報告を定期タスクにして、1か月ほど会議資料と見比べる
  5. 5 値引きや特別条件の見積もりだけでも、ワークフローで承認を残すようにする

AI に任せないこと・人が確かめること

  • 価格、値引き、納期、契約条件など、お客様への約束になる内容は営業担当と承認者が判断します
  • AI が調べた企業情報や要約は、元のページで確かめてから使ってください。古い情報や読み違いが混ざることがあります
  • お客様の担当者名や連絡先、商談の中身など、社外の情報を扱う範囲は社内ルールに沿って決めてください
  • 提案書や回答の文面は、営業担当が読み直してから相手に出します
  • 他社製品との比較や効果の見込みは、根拠のない断定を書かないよう確認してください

AIチャット・ワークフロー・定期タスク・Wiki はフリープランから使えます(フリープランは 1 名まで、初期クレジット 500)。ミニアプリとブラウザエージェントはベーシックプラン(月額 20,000 円・税込)以上です。

よくある質問

営業の AI 活用で、最初に試すなら何がよいですか?

商談後の議事録からのタスク化か、週次の案件報告のまとめがおすすめです。どちらも元の材料がはっきりしていて、結果が正しいかをすぐ確かめられます。

AI が作った提案書をそのまま出しても大丈夫ですか?

たたき台として使い、営業担当が相手に合わせて直してから出してください。特に料金や条件、相手企業についての記述は、必ず元の資料で確かめてください。

相手企業の下調べはフリープランでもできますか?

ブラウザエージェントで公開ページを確認する使い方はベーシックプラン以上です。フリープランでは、相手のサイトの文章を AI チャットに貼って要約させる形で同じ準備ができます。

料金プランはどれが必要ですか?

AIチャット・ワークフロー・定期タスク・Wiki はフリープランから使えます。フリープランは 1 名まで、初期クレジット 500(月ごとの配布はなし)です。ミニアプリとブラウザエージェントはベーシックプラン(月額 20,000 円・税込)以上です。