士業のAI活用|相談記録の要約・期日の管理・書類のチェックリスト

士業の事務所では、相談の記録と期日、そろえる書類の確認に多くの時間を使います。このページは事例ではなく、明日から試せる作業ごとの使い方と指示文です。AI の出力はすべて下書きで、判断と最終確認は資格者が行う前提で書いています。

士業で時間を取られていること

  • 初回相談のメモが長く、案件として受けるかを決める前に読み返すだけで時間がかかる
  • 期日や申請の締切が案件ごとの手帳や Excel に分かれ、見落としの不安が消えない
  • 案件の種類ごとに必要書類が違い、依頼者への案内を毎回作り直している
  • 依頼者から「今どうなっていますか」と聞かれるたびに、記録をたどって返事を書いている
  • 補助者が入れ替わると、事務所独自の段取りが伝わらない

作業ごとの使い方と指示文

1. 相談記録の要約

使う機能:AIチャット
今のやり方
面談中のメモや録音の書き起こしを見返し、相談の要点・事実関係・依頼者の希望を自分で整理しています。
AI を使うと
テキストにした相談記録を AI チャットに渡すと、事実・依頼者の希望・不足している情報・次に確認することの形に要約します。法的な見立ては書かせず、整理だけに使います。
指示文
以下は初回相談の記録です。①事実関係(日付順)②依頼者の希望 ③まだ聞けていない情報 ④次回までに依頼者に用意してもらう資料、の4つに分けて要約してください。法的な評価や見通しは書かないでください。記録に無いことは補わないでください。

2. 期日・締切の一覧を毎週確認する

使う機能:定期タスク
今のやり方
期日をカレンダーと案件ファイルの両方に書き、週の初めに手で見比べています。
AI を使うと
Google カレンダーの予定を同期しておき、毎週決まった曜日に AI が向こう2週間の期日と、準備が終わっていない案件を一覧にします。期日そのものの正しさは資格者が原本で確認します。
指示文
毎週月曜の朝に、向こう14日間の期日・申請期限・面談の予定を案件別に一覧にしてください。各案件の課題で未完了のタスクがあれば並べて書き、期日まで3日以内のものを先頭にしてください。

3. 案件の種類別の書類チェックリスト

使う機能:Wiki
今のやり方
相続・会社設立・許認可などの必要書類を、過去の案件ファイルから探して依頼者向けに作り直しています。
AI を使うと
事務所で使っている書類リストを Wiki にまとめておくと、AI が案件の種類と依頼者の事情に合わせてチェックリストの案を出します。最新の様式や要件は資格者が確認してから使います。
指示文
Wiki の「相続手続きの必要書類」を読んで、依頼者向けのチェックリストの案を作ってください。依頼者の事情は、相続人が3名・うち1名が遠方在住・不動産が2か所です。Wiki に書かれていない書類は追加せず、「要確認」の欄に挙げてください。

4. 依頼者への進み具合の連絡文

使う機能:ワークフロー
今のやり方
案件の記録を見ながら、依頼者ごとに丁寧な連絡文を書いています。専門用語をかみくだくのにも時間がかかります。
AI を使うと
記録を渡すと、AI が専門用語を避けた連絡文の下書きを作り、資格者の承認の工程に回します。直しが必要ならその場で差し戻せます。送るのは人です。
指示文
以下の案件の記録をもとに、依頼者(山田(サンプル)様)への進み具合の連絡文の下書きを作ってください。今終わったこと、次にやること、依頼者にお願いしたいこと、次の連絡の目安の順で、専門用語は言い換えてください。見通しや結果を約束する表現は使わないでください。

5. 事務所の段取りを手順書にする

使う機能:引き継ぎエージェント
今のやり方
受任から完了までの事務の流れ(受付・見積・委任状・請求)が所長や古株の補助者の頭の中にあります。
AI を使うと
引き継ぎエージェントが業務の流れを順に聞き取り、手順書の案と、くり返しの作業を定期タスクにする案にまとめます。既存のマニュアルの Word も読ませられます。動かす前に人が確認・承認します。
指示文
受任から完了までの事務の流れを手順書にしたいです。私に順番に質問して、問い合わせの受付、面談の予約、見積の出し方、委任状や本人確認の段取り、記録の保管場所、請求と入金確認を聞き取ってください。資格者が判断する場面には印をつけて、Wiki の案にまとめてください。

6. 所内ミーティングから対応事項を拾う

使う機能:議事録からタスク化
今のやり方
週1回の案件会議で決めたことが、誰の担当になったのかあいまいなまま次の会議を迎えることがあります。
AI を使うと
議事録を取り込むと、AI が案件ごとの対応事項をタスクにして、担当と期限を提案します。
指示文
この案件会議の議事録から、決まった対応をタスクにしてください。案件名・やること・担当・期限の形にし、議事録に担当や期限が無いものは「要確認」としてください。

始め方

  1. 1 依頼者の名前や連絡先を伏せた過去の相談記録で、要約の形が使えるかを AI チャットで試します
  2. 2 よく受ける案件の種類を1つ選び、必要書類のリストを Wiki にまとめます
  3. 3 事務所の期日の管理方法を決め、Google カレンダー連携と週1回の一覧を定期タスクにします
  4. 4 依頼者への連絡文は、下書き→資格者の承認の順のワークフローにしてから使い始めます
  5. 5 補助者の入れ替わりに備えて、引き継ぎエージェントで事務の段取りを手順書の案にします

AI に任せないこと・人が確かめること

  • AI の出力は下書きです。法的な判断、書類の内容、依頼者への説明の最終判断は、必ず資格者が行います
  • 守秘義務のある情報や依頼者の個人情報は、必要な範囲だけを入力し、案件ごとに見られるメンバーを絞ります。不要な部分は伏せてから渡します
  • 法令・様式・手続きの要件を AI の答えで確定させないでください。原典や所管の窓口で確認します
  • 期日は AI の一覧だけに頼らず、原本や事務所の台帳と二重に確認します
  • 依頼者への連絡は資格者が内容を確認してから人が送ります。結果を約束する表現は使いません

AIチャット・ワークフロー・定期タスク・Wiki はフリープランから使えます(フリープランは 1 名まで、初期クレジット 500)。ミニアプリとブラウザエージェントはベーシックプラン(月額 20,000 円・税込)以上です。

よくある質問

依頼者の情報を入力しても大丈夫ですか?

入力する範囲は事務所の規程と守秘義務に照らして決めてください。氏名や住所を伏せても要約や整理には使えることが多いので、まずは伏せた記録で試すのがおすすめです。

AI に書面を作らせて、そのまま提出できますか?

できません。AI が作るのは整理や下書きまでです。内容の判断と最終確認は資格者が行ってください。

事務所の業務ソフトとつながりますか?

直接つなぐ機能はありません。案件の一覧などを書き出した Excel や CSV を AI チャットに渡して、整理や見比べに使えます。

料金プランはどれが必要ですか?

AIチャット・ワークフロー・定期タスク・Wiki はフリープランから使えます。フリープランは 1 名まで、初期クレジット 500(月ごとの配布はなし)です。ミニアプリとブラウザエージェントはベーシックプラン(月額 20,000 円・税込)以上です。