社労士事務所のAI活用|手続きの進み具合・顧問先への連絡・規程見直しの下準備

入退社の手続き、給与の締め、年度更新や算定基礎。社労士事務所の担当者は、顧問先ごとの「今どこまで進んでいるか」を追うだけで一日が終わることもあります。このページは事例ではなく、明日から試せる作業ごとの使い方と指示文です。

社労士事務所で時間を取られていること

  • 顧問先ごとの入退社や変更の手続きが、どこまで進んだか一覧で見えない
  • 手続きに必要な情報や書類が揃わず、顧問先への依頼の連絡を何度も書いている
  • 法改正のたびに顧問先の規程を見直す必要があり、現行の規程を読み込む時間が足りない
  • 労務相談の電話やメールの記録が担当者ごとに散らばり、経緯が追えない
  • 年度更新や算定基礎の時期は、資料の回収と進み具合の把握で手一杯になる

作業ごとの使い方と指示文

1. 手続きの進み具合を毎週一覧にする

使う機能:定期タスク
今のやり方
入社・退社・扶養の変更などを Excel の管理表で追い、ステータスの更新が担当者の手作業に頼っています。
AI を使うと
手続きを1件ずつ課題にしておくと、毎週決まった曜日に AI が顧問先別の進み具合と、止まっている手続きの一覧を作ります。提出の期限は制度と顧問先の事情に照らして担当者が確かめます。
指示文
毎週月曜の朝に、手続きの課題を顧問先別にまとめてください。手続きの種類・対象者(イニシャル)・受付日・今の段階・止まっている理由を表にし、受付から7日以上動いていないものを先頭にしてください。期限の判断はせず、課題に書かれている期限をそのまま載せてください。

2. 顧問先への書類・情報の依頼文

使う機能:AIチャット
今のやり方
手続きに足りない情報(雇用契約の内容、扶養家族の情報など)を、顧問先の担当者に合わせて毎回文章にしています。
AI を使うと
課題の記録を渡すと、AI が不足している項目を整理し、相手に伝わりやすい依頼文の下書きを作ります。送るのは担当者です。
指示文
以下はサンプル商事の入社手続きの課題の記録です。手続きを進めるのに足りない情報と書類を箇条書きにし、人事担当の方への依頼文の下書きを作ってください。いつまでに欲しいか、送り方、個人情報の送り方の注意を入れてください。

3. 規程の見直しの下準備

使う機能:AIチャット
今のやり方
顧問先の就業規則や賃金規程を読み込み、改正の内容と照らして直す候補の箇所を探しています。
AI を使うと
現行の規程(Word・PDF)と、事務所で整理した改正点のメモを AI チャットに渡すと、関係しそうな条文の候補と比較表の案を作ります。どこをどう直すか、法令に合っているかの判断は社労士が行います。
指示文
添付はサンプル商事の就業規則と、事務所で整理した改正点のメモです。改正点ごとに、関係しそうな条文の番号と現在の文言を表にしてください。直し方の案は書かず、「社労士確認」の欄を空けておいてください。メモに無い改正点は追加しないでください。

4. 労務相談の記録の要約と回答の下書き

使う機能:ワークフロー
今のやり方
顧問先からの相談に、担当者が経緯をまとめて社労士に相談し、回答の文面を作っています。
AI を使うと
相談の記録を渡すと、AI が経緯の整理と確認すべき事実、回答の下書きを作り、社労士の承認の工程に回します。差し戻しもできます。
指示文
以下は顧問先からの労務相談の記録です。①経緯(日付順)②顧問先が知りたいこと ③回答の前に確認すべき事実 ④社労士の確認用の回答の下書き、を作ってください。結論は断定せず、判断が必要な箇所は【要判断】と書いてください。

5. 事務所の手続きの手順書をつくる

使う機能:引き継ぎエージェント
今のやり方
電子申請の段取りや顧問先ごとの例外が、ベテランの担当者のメモにしか残っていません。
AI を使うと
引き継ぎエージェントが手続きの流れを順に聞き取り、手順書と、くり返しの作業を定期タスクにする案にまとめます。既存のマニュアルの Excel や Word も読ませられます。人が確認してから使います。
指示文
入社手続きの事務所内の手順書を作りたいです。私に順番に質問して、顧問先から受け取る情報、確認の観点、申請の段取り、控えの保管、顧問先への完了の連絡、顧問先ごとの例外を聞き取ってください。社労士の判断が必要な場面に印をつけ、Wiki の案にまとめてください。

6. 年度更新・算定基礎の予定を共有する

使う機能:Google カレンダー連携
今のやり方
繁忙期の資料回収や顧問先との打ち合わせの予定が、担当者それぞれの手帳に分かれています。
AI を使うと
AI に頼むと、顧問先との打ち合わせや資料回収の予定を HARVASK のカレンダーに入れます。Google カレンダー連携をつないでおけば、その予定は担当者の Google カレンダーにも同期され、誰がいつどの顧問先を対応するかを事務所全体で把握できます。
指示文
算定基礎の対応予定を HARVASK のカレンダーに入れてください。サンプル商事は6月10日(火)14時から打ち合わせ(担当:山田(サンプル))、サンプル工業は6月12日(木)10時から資料の受け取り(担当:佐藤(サンプル))です。予定名は「顧問先名・算定基礎・内容」の形にし、説明欄に持参する資料を書いてください。

始め方

  1. 1 まず手続きを1件ずつ課題にする運用を、顧問先1社分から始めます
  2. 2 進み具合の一覧を週1回の定期タスクにして、管理表との差を見比べます
  3. 3 相談への回答は、下書き→社労士の承認の順のワークフローにしてから使います
  4. 4 規程の見直しは、改正点のメモを事務所で作ってから AI に比較表の案を作らせます
  5. 5 担当替えに備えて、引き継ぎエージェントで手続きの手順書の案を作ります

AI に任せないこと・人が確かめること

  • AI の出力は下書きです。手続きの要否と期限、規程の内容、労務相談への回答の最終判断は必ず社労士が行います
  • 法令や通達、改正の内容を AI の答えで確定させないでください。原典や所管の情報で確認します
  • 従業員の氏名・生年月日・給与・健康情報などの個人情報は必要な範囲だけを扱い、マイナンバーは入力しないでください。顧問先ごとに見られるメンバーを絞ります
  • 顧問先への連絡や申請は、担当者が内容を確かめてから人が行います
  • 規程の文案は顧問先の実態と合わせて確認します。AI が出した候補をそのまま規程に入れないでください

AIチャット・ワークフロー・定期タスク・Wiki はフリープランから使えます(フリープランは 1 名まで、初期クレジット 500)。ミニアプリとブラウザエージェントはベーシックプラン(月額 20,000 円・税込)以上です。

よくある質問

電子申請を AI が代わりにしてくれますか?

しません。申請は担当者が行ってください。AI は進み具合の整理、依頼文や手順書の下書きに使います。

給与計算ソフトとつながりますか?

直接つなぐ機能はありません。勤怠や給与の一覧を Excel や CSV で書き出して AI チャットに渡せば、前月との違いを見比べるのに使えます。数字の確定は人が行います。

就業規則を AI に作らせることはできますか?

現行の規程と改正点を見比べる下準備には使えます。条文の内容や法令への適合は社労士が判断してください。

料金プランはどれが必要ですか?

AIチャット・ワークフロー・定期タスク・Wiki はフリープランから使えます。フリープランは 1 名まで、初期クレジット 500(月ごとの配布はなし)です。ミニアプリとブラウザエージェントはベーシックプラン(月額 20,000 円・税込)以上です。