飲食店の在庫管理アプリを自作する方法|食材の期限・発注・原価率をAIでアプリにする

食材は「ケースで仕入れて、袋や本で数える」うえに、期限が毎日迫ります。仕入れと仕込みに期限を付けて残し、発注曜日の朝に定量との差を出し、月末の棚卸しから原価率まで出す形にします。

エクセル管理で起きがちなこと

  • 冷蔵庫の奥から消費期限の切れた食材や、いつ仕込んだかわからないソースが出てきて、捨ててから気づく。
  • 「青果は月・木、精肉は火・金」と発注の曜日は決まっているのに、前日に残りを確かめる人が日によって違い、頼み忘れや頼みすぎが起きる。
  • ケースで仕入れて袋や本で使うため、棚卸しで「0.5 ケース」と書く人と「6 袋」と書く人がいて、金額が合わない。
  • 月末の棚卸しを閉店後に紙で数え、エクセルに打ち直すので、原価率が出るのが翌月の半ばになる。
  • 店長が休みの日に、どの食材をいくつ頼めばいいかがアルバイトにはわからない。

飲食店の在庫管理アプリに必要な項目

表(データの置き場所)ごとに、最低限そろえたい項目です。エクセルの 1 シートが 1 つの表にあたります。

食材

仕入れる食材と仕込み品の一覧。数える単位と、仕入単位との換算をここで決めておきます。

項目 種類 メモ
食材名 テキスト 「玉ねぎ(10kg)」のように規格まで書く
区分 選択肢 青果・精肉・鮮魚・乾物・調味料・酒類・仕込み品
保管 選択肢 冷蔵・冷凍・常温。棚卸し表の並び順に使う
仕入単位 選択肢 ケース・袋・本・kg
数える単位 選択肢 棚卸しで数える単位。袋・本・g など
換算 数値 1 仕入単位が何「数える単位」か。例: 1 ケース = 12 本
仕入単価 数値 1 仕入単位あたり(税抜か税込かは店で統一)
仕入先 テキスト
発注曜日 選択肢(複数) 月・木 など
定量 数値 発注曜日の朝にこの量まで戻す。数える単位で入れる

仕入れと仕込み

納品と仕込みのたびに 1 行足します。期限を 1 行ごとに持つので、古いものから使えます。

項目 種類 メモ
日付 日付 納品日・仕込んだ日
食材 食材への参照
種類 選択肢 仕入れ・仕込み
数量 数値 仕入れは仕入単位、仕込みは数える単位
金額 数値 仕入れのみ。納品書の金額
期限 日付 ラベルの表示を写す。仕込み品は店で決めた日数から
期限の種類 選択肢 消費期限・賞味期限・店の使用期限
状態 選択肢 使用中・使い切り・廃棄
記録した人 テキスト

数えた記録

月末の棚卸しと、発注前の残りの確認の両方をここに残します。

項目 種類 メモ
日付 日付
種類 選択肢 月末棚卸し・発注前の確認
食材 食材への参照
数えた量 数値 数える単位で入れる。開封済みは 0.5 のように小数で
金額 数値(自動) 数えた量 ÷ 換算 × 仕入単価
数えた人 テキスト

月の締め

月ごとに 1 行。料理の売上だけを手で入れ、残りは自動で出します。

項目 種類 メモ
月 年月
フードの売上 数値 レジの月の合計を写す
月初の棚卸高 数値(自動) 前月の月末棚卸しの金額
当月の仕入高 数値(自動) 仕入れの金額の合計
月末の棚卸高 数値(自動) 当月の月末棚卸しの金額
原価率 数値(自動) (月初 + 仕入 − 月末)÷ 売上

画面の構成

飲食店の在庫管理アプリの期限の近い食材の画面イメージ
画面イメージ(サンプル)

期限の近い食材

今日・明日・3 日以内に期限が来る仕入れと仕込みを、期限の近い順に並べます。冷蔵・冷凍で絞り込み、使い切りや廃棄をその場で付けられます。

飲食店の在庫管理アプリの今日の発注の画面イメージ
画面イメージ(サンプル)

今日の発注

今日が発注曜日の食材だけを仕入先ごとに出します。今ある量を入れると「定量 − 今ある量」を仕入単位に直して発注数の目安にします。

飲食店の在庫管理アプリの仕入れ・仕込みの登録の画面イメージ
画面イメージ(サンプル)

仕入れ・仕込みの登録

食材を選び、数量と期限を入れる短いフォームです。仕込み品は作った日から店で決めた日数で期限を出します。

飲食店の在庫管理アプリの月末の棚卸しと原価率の画面イメージ
画面イメージ(サンプル)

月末の棚卸しと原価率

保管場所の順に並んだ食材に数えた量を入れていきます。売上を入れると、月初・仕入・月末の棚卸高から原価率を出します。

AIへの頼み方(そのまま使える指示文)

HARVASK のミニアプリで AI にこの文章を渡すと、上の項目と画面を持ったアプリを作ります。自社にない項目は消し、足りない項目は書き足してから渡してください。

指示文
飲食店の食材の在庫管理アプリを作ってください。

【データ】
- 食材:食材名、区分(青果/精肉/鮮魚/乾物/調味料/酒類/仕込み品)、保管(冷蔵/冷凍/常温)、仕入単位、数える単位、換算(1 仕入単位が何「数える単位」か)、仕入単価、仕入先、発注曜日(複数選択)、定量
- 仕入れと仕込み:日付、食材、種類(仕入れ/仕込み)、数量、金額、期限、期限の種類(消費期限/賞味期限/店の使用期限)、状態(使用中/使い切り/廃棄)、記録した人
- 数えた記録:日付、種類(月末棚卸し/発注前の確認)、食材、数えた量、金額(自動)、数えた人
- 月の締め:月、フードの売上、月初の棚卸高、当月の仕入高、月末の棚卸高、原価率(売上以外は自動)

【ルール】
- 棚卸しの金額は「数えた量 ÷ 換算 × 仕入単価」で出してください。
- 原価率は(月初の棚卸高 + 当月の仕入高 − 月末の棚卸高)÷ フードの売上で出してください。
- 発注の目安は「定量 − 今ある量」を仕入単位に直し、端数は切り上げてください。
- 状態が「使用中」で期限が 3 日以内のものは目立つ色にしてください。

【画面】
1. 期限の近い食材(期限の近い順。冷蔵・冷凍で絞り込み、使い切り・廃棄をその場で付ける)
2. 今日の発注(今日が発注曜日の食材を仕入先ごとに。今ある量を入れると発注数の目安を出す)
3. 仕入れ・仕込みの登録フォーム
4. 月末の棚卸しと原価率(保管ごとに並べて数えた量を入れる。売上を入れると原価率を出す)

エクセルから移す手順

  1. 1 今の棚卸し表から、食材名・区分・仕入単位・仕入単価・仕入先の列を残して CSV で保存します。
  2. 2 紙やホワイトボードにある発注曜日と定量を、この機会に食材ごとに書き出して列を足します。数える単位と換算もここで決めます。
  3. 3 上の指示文でアプリを作り、AI に「この CSV を食材として取り込んで」と頼みます。
  4. 4 前月の月末棚卸しの結果を、食材名と数えた量の CSV にして「数えた記録に、前月末の月末棚卸しとして取り込んで」と頼みます。今月の月初の棚卸高になります。
  5. 5 最初の 1 か月は納品書を見ながら閉店後に仕入れをまとめて入れ、月末にエクセルで出した原価率と比べてからエクセルを止めます。

使いながら頼める改良

アプリは作ったあとも、AI に話しかけて直せます。たとえば次のような頼み方です。

  • 「廃棄にした食材の量と金額を、月ごと・食材ごとに集計して」
  • 「仕入先ごとに月の仕入高を一覧にして、請求書と突き合わせられるようにして」
  • 「ドリンクとフードで原価率を分けて出して」
  • 「店舗が 2 つあるので、店舗ごとに在庫と原価率を分けて」
  • 「料理ごとのレシピ(使う食材と量)を登録して、1 皿の原価を出して」

HARVASK で作る流れ

  1. 1. 頼む

    プロジェクトのミニアプリを開き、上の指示文を AI に渡します。

  2. 2. AI が作る

    AI がデータの表と画面を作り、その場で動くアプリとして表示します。

  3. 3. チームで使う

    プロジェクトのメンバーが同じアプリとデータを使えます。直したい所は AI に頼みます。

ミニアプリはベーシックプラン(月額 20,000 円・税込)以上で使えます。フリープランとスタータープランでは使えません。

よくある質問

レジの売上は自動で入りますか?

自動では入りません。月の締めでフードの売上を手で入れます。レジから CSV で書き出せる場合は、AI に「この CSV を月の締めの売上として取り込んで」と頼めます。

毎日すべての食材を数える必要がありますか?

ありません。全部を数えるのは月末の棚卸しだけです。発注曜日の朝は、その日に頼む食材の残りだけを数えて入れます。

消費期限と賞味期限は分けて管理できますか?

仕入れと仕込みの 1 行ごとに期限の種類を選んで残します。どちらも期限の近い順に「期限の近い食材」に並びます。期限の決め方は、ラベルの表示や店のルールに従ってください。

アルバイトのスタッフも入力できますか?

プロジェクトのメンバーに入っていれば、同じアプリとデータを使えます。ゲストは使えません。

どのプランで使えますか?

ミニアプリはベーシックプラン(月額 20,000 円・税込)以上で使えます。フリープランとスタータープランでは使えません。