製造業の在庫管理アプリを自作する方法|部品表・製造指示・ロットをAIでアプリにする

製品 1 個に部品がいくつ要るかを部品表で持ち、製造指示を着手・完成にすると部品と製品の在庫が一緒に動きます。ロット番号を残すので、どの材料がどの製品に入ったかもたどれます。

エクセル管理で起きがちなこと

  • 製品を作るたびに、使った部品を 1 つずつ出庫として手で引いていて、引き忘れが出る。
  • 部品表が図面の隅や担当者のエクセルにしかなく、設計変更で部品が替わっても在庫の引き方が古いまま。
  • 来月の製造予定に対して部品が足りるかを、部品表と在庫表を見比べて手で計算している。
  • 不具合が出たとき、その製品にどのロットの材料を使ったかを紙の作業日報から探すことになる。
  • 工程の途中で止まっている仕掛品が、材料としても製品としても数えられていない。
  • 切断の端材や不良で減った分が記録されず、棚卸しで材料だけが合わない。

製造業の在庫管理アプリに必要な項目

表(データの置き場所)ごとに、最低限そろえたい項目です。エクセルの 1 シートが 1 つの表にあたります。

品目

原材料から製品までを 1 つの表で持ち、種類で分けます。

項目 種類 メモ
品目コード テキスト 重複不可。図番や社内の品番
品名 テキスト
種類 選択肢 原材料・購入部品・仕掛品・製品
単位 選択肢 個・枚・本・kg・m
調達区分 選択肢 購入・内製
安全在庫 数値 これを切ると不足として出す
標準単価 数値 在庫金額の目安に使う

部品表

親品目 1 個を作るのに要る子品目と数量。設計変更は新しい版を足し、古い版も残します。

項目 種類 メモ
親品目 品目への参照 製品または仕掛品
子品目 品目への参照
使用数量 数値 親 1 個あたり。端材や不良の見込みを含めた量
版 テキスト A・B のように設計変更ごとに上げる
適用開始日 日付 この日以降の製造指示に使う

製造指示

何をいくつ作るかの指示。状態を進めると在庫の動きが作られます。

項目 種類 メモ
指示番号 テキスト 重複不可
製品 品目への参照 製品または仕掛品
作る数量 数値
着手予定日 日付
状態 選択肢 予定・着手・完成・中止
完成数・不良数 数値 完成のときに入れる
製品のロット番号 テキスト 完成品に付ける番号

在庫の動き

在庫が動くたびに 1 行足します。品目とロットの組み合わせごとに在庫を計算します。

項目 種類 メモ
日時 日時
品目 品目への参照
ロット番号 テキスト 受入時は仕入先のロット、完成時は製品のロット
区分 選択肢 受入・製造に使用・製造で完成・出荷・不良・棚卸し調整
数量 数値
製造指示 製造指示への参照 製造に使用・製造で完成のとき
担当者 テキスト

画面の構成

製造業の在庫管理アプリの品目別の在庫の画面イメージ
画面イメージ(サンプル)

品目別の在庫

品目ごとの在庫数、予定の製造指示に引き当て済みの数、使える数を並べます。使える数が安全在庫を切った品目は色を変えて上に出します。

製造業の在庫管理アプリの部品表の画面イメージ
画面イメージ(サンプル)

部品表

製品を選ぶと、子品目・使用数量・版を表示します。仕掛品を親に持つ行は下の階層まで展開して見られます。

製造業の在庫管理アプリの製造指示と部品の引き当ての画面イメージ
画面イメージ(サンプル)

製造指示と部品の引き当て

製造指示ごとに、部品表から出した所要量と今の在庫、不足数を並べます。着手にすると古いロットから順に「製造に使用」を作ります。

製造業の在庫管理アプリのロットの追跡の画面イメージ
画面イメージ(サンプル)

ロットの追跡

製品のロット番号を入れると、その製造指示で使った材料・部品のロットを一覧にします。材料のロットから、使った製品をたどることもできます。

AIへの頼み方(そのまま使える指示文)

HARVASK のミニアプリで AI にこの文章を渡すと、上の項目と画面を持ったアプリを作ります。自社にない項目は消し、足りない項目は書き足してから渡してください。

指示文
製造業の在庫管理アプリを作ってください。

【データ】
- 品目:品目コード(重複不可)、品名、種類(原材料/購入部品/仕掛品/製品)、単位、調達区分(購入/内製)、安全在庫、標準単価
- 部品表:親品目、子品目、使用数量(親 1 個あたり)、版、適用開始日
- 製造指示:指示番号、製品、作る数量、着手予定日、状態(予定/着手/完成/中止)、完成数・不良数、製品のロット番号
- 在庫の動き:日時、品目、ロット番号、区分(受入/製造に使用/製造で完成/出荷/不良/棚卸し調整)、数量、製造指示、担当者

【ルール】
- 在庫数は在庫の動きの合計で、品目とロットごとに計算してください。
- 製造指示を「着手」にしたら、その日に有効な版の部品表 × 作る数量で、子品目の「製造に使用」を作ってください。子品目が仕掛品で在庫が足りないときは、さらに下の階層まで展開して所要量を出します。
- どのロットから使うかは、受入日の古い順に候補を出し、担当者が確定してください。
- 「完成」にしたら、完成数を製品の「製造で完成」として製品のロット番号で入れ、不良数は「不良」として残してください。
- 「予定」の製造指示の所要量を引き当て済みとして数え、在庫から引いた数を「使える数」にしてください。

【画面】
1. 品目別の在庫(種類で絞り込み。在庫数・引き当て済み・使える数・安全在庫)
2. 部品表(製品を選ぶと子品目・使用数量・版を表示)
3. 製造指示と部品の引き当て(所要量・在庫・不足数。着手・完成の操作)
4. ロットの追跡(製品ロットから使った材料ロットを、材料ロットから使った製品をたどる)

エクセルから移す手順

  1. 1 品目の一覧を、品目コード・品名・種類・単位・調達区分の列に揃えて CSV で保存します。図番と社内品番が混ざっていたら、ここでどちらかに揃えます。
  2. 2 部品表を「親品目コード・子品目コード・使用数量・版」の 4 列の CSV にします。図面の部品欄から起こす場合は、まず出荷の多い製品から始めます。
  3. 3 上の指示文でアプリを作り、AI に「品目の CSV を取り込んで」「部品表の CSV を、品目コードで品目とひもづけて取り込んで」と頼みます。
  4. 4 今の在庫を品目コード・ロット番号・数量の CSV にして「在庫の動きに、今日の日付の棚卸し調整として取り込んで」と頼みます。ロットのわからない古い在庫は「不明」で入れます。
  5. 5 最初の 1 か月は、新しい製造指示だけをアプリで回し、月末の棚卸しで部品の在庫が合うかを確かめます。

使いながら頼める改良

アプリは作ったあとも、AI に話しかけて直せます。たとえば次のような頼み方です。

  • 「来月の製造指示をまとめて、不足する部品を仕入先ごとに一覧にして」
  • 「不良の数を品目と月ごとに集計して、不良率を出して」
  • 「部品表の 2 つの版を比べて、変わった部品だけを表示して」
  • 「仕掛品を工程(切断・溶接・塗装など)ごとに分けて数えられるようにして」
  • 「外注先に預けている材料(支給品)を、自社の在庫と分けて数えて」

HARVASK で作る流れ

  1. 1. 頼む

    プロジェクトのミニアプリを開き、上の指示文を AI に渡します。

  2. 2. AI が作る

    AI がデータの表と画面を作り、その場で動くアプリとして表示します。

  3. 3. チームで使う

    プロジェクトのメンバーが同じアプリとデータを使えます。直したい所は AI に頼みます。

ミニアプリはベーシックプラン(月額 20,000 円・税込)以上で使えます。フリープランとスタータープランでは使えません。

よくある質問

生産管理システムの代わりになりますか?

このアプリは在庫・部品表・製造指示・ロットに絞った形です。工程ごとの日程や設備の負荷などが必要になったら、その表と画面を AI に頼んで足していきます。

部品表が何階層もあっても使えますか?

使えます。ユニットなどの中間品を仕掛品として登録し、それを親にした部品表を作れば階層になります。所要量を下の階層まで展開するルールは指示文に入れてあります。

設計変更で部品が替わったときはどうしますか?

部品表に新しい版の行を足し、適用開始日を入れます。古い版は消さないので、過去の製造指示でどの部品を使ったかは変わりません。

現場の作業者も入力できますか?

プロジェクトの管理者とメンバーが、同じアプリとデータを使えます。ゲストは使えません。

どのプランで使えますか?

ミニアプリはベーシックプラン(月額 20,000 円・税込)以上で使えます。フリープランとスタータープランでは使えません。