物流・運送のAI活用|運転日報の整理・荷主への報告・荷主別の手順書

運行管理者や配車担当の机の上は、日報・点検表・荷主への連絡でいっぱいです。このページは事例ではなく、明日から試せる作業ごとの使い方と指示文です。判断は人が持ったまま、まとめる・下書きする部分を AI に渡します。

物流・運送で時間を取られていること

  • 運転日報が紙と Excel に分かれていて、月末に走行距離や稼働日数を手で集計している
  • 日常点検で「否」がついても、整備担当への連絡が口頭のまま流れてしまうことがある
  • 遅延や誤配があると、荷主向けの報告書を夜に一から書くことになる
  • 納品先ごとの受付時間やバースのルールがベテランの頭の中にあり、新人に伝わりにくい
  • 年末や引っ越しシーズンの繁忙期に、配車の調整と事務作業が重なる

作業ごとの使い方と指示文

1. 運転日報の月次まとめ

使う機能:AIチャット
今のやり方
日報を事務担当が Excel に転記し、車両別・ドライバー別の走行距離や始業終業時刻を手で拾っています。記入漏れに気づくのは月末です。
AI を使うと
転記済みの Excel を AI チャットに渡すと、車両別・ドライバー別の表に整え、記入漏れや数字が飛んでいる行を別表に出します。拘束時間などの基準に合っているかの判断は運行管理者が行います。
指示文
添付は9月分の運転日報(Excel)です。車両別・ドライバー別に、走行距離・稼働日数・始業と終業の時刻を表にしてください。記入漏れの行、前日と比べて走行距離が極端に違う行、始業から終業までが長い日は別の表に挙げてください。基準に照らした良し悪しの判断はしなくてよいです。

2. 日常点検の「否」の拾い出し

使う機能:定期タスク
今のやり方
点検表は綴じたまま保管され、不具合の記入があっても整備担当が見るのは後回しになりがちです。
AI を使うと
点検結果を課題や Wiki の表に入力している場合、毎週決まった曜日に AI が「否」「要確認」の項目を拾い、車両別の一覧と整備担当への確認依頼の文面を作ります。
指示文
毎週月曜の朝に、先週分の日常点検の記録から「否」「要確認」がついた項目を拾ってください。車両番号・点検項目・記入者・日付の表にし、同じ車両で2回以上出た項目には印をつけてください。最後に整備担当への確認依頼の文面を添えてください。

3. 荷主への遅延・事故報告の下書き

使う機能:ワークフロー
今のやり方
電話で一報を入れたあと、配車担当がメモを見ながら報告書を書きます。経緯の書き方が人によって違い、上長の手直しも入ります。
AI を使うと
時系列のメモを渡すと、AI が報告書の型に沿った下書きを作り、運行管理者の承認の工程に回します。差し戻しもその場でできます。荷主へ送るのは人です。
指示文
以下は本日の遅延の時系列メモです。荷主(サンプル商事 物流部)向けの報告書の下書きを、発生日時・経緯・原因(判明している範囲)・納品への影響・当社の対応・再発防止策の順で作ってください。原因が確定していない部分は「調査中」と書き、推測で埋めないでください。

4. 荷主別の納品ルールを手順書にする

使う機能:引き継ぎエージェント
今のやり方
「あそこは8時前に着くと門が開かない」「受領印は守衛所でもらう」といったルールを、ベテランが同乗して口で教えています。
AI を使うと
引き継ぎエージェントがベテランに順番に質問し、荷主・納品先ごとの手順書の案にまとめます。手元の納品先リスト(Excel)も読ませられます。できた案は人が確認してから Wiki に載せます。
指示文
荷主ごとの納品ルールの手順書を作りたいです。私に1つずつ質問して、納品先の住所と受付時間、待機場所とバース、検品の立ち会い、伝票と受領印の扱い、パレットやカゴ台車の返却、やってはいけないことを聞き取ってください。納品先ごとに Wiki ページの案にまとめてください。

5. ドライバーからの問い合わせに答える

使う機能:Wiki
今のやり方
新人から「この納品先は何時から?」「空パレットは持ち帰る?」と電話が来るたびに、配車担当が手を止めています。
AI を使うと
手順書を Wiki に置いておくと、AI が Wiki を読んで答えます。書かれていないことは「記載なし」と返すよう頼んでおくと、思い込みの答えを防げます。
指示文
Wiki の荷主別ルールを読んで答えてください。サンプル商事の第2倉庫に納品するときの受付時間、待機場所、空パレットの扱いを教えてください。Wiki に書かれていないことは「記載なし」と答え、推測はしないでください。

6. 安全会議の決定事項をタスクにする

使う機能:議事録からタスク化
今のやり方
月1回の安全会議で決めた対策が、議事録に書かれたまま誰がいつやるのか曖昧になっています。
AI を使うと
議事録を取り込むと、AI が対応事項をタスクにして担当と期限を提案します。ヒヤリハットの共有事項はタスクと分けて一覧にできます。
指示文
この安全会議の議事録から、決まった対応をタスクにしてください。担当者と期限が議事録にあればそれを使い、書かれていないものは「要確認」としてください。ヒヤリハットとして共有された内容は、タスクとは別に一覧にしてください。

7. 車検・点検の期限一覧を小さなアプリにする

使う機能:ミニアプリ(ベーシック以上)
今のやり方
車検や定期点検の期限を、ホワイトボードと Excel の両方で管理していて、更新が片方だけになることがあります。
AI を使うと
日本語で頼むと、車両ごとの期限を登録して近い順に並べる小さな業務アプリを作れます。期限の確認と手配は整備管理者が行います。
指示文
車両の車検と定期点検の期限を管理するアプリを作ってください。車両番号・車種・車検満了日・次回の定期点検日・メモを登録でき、期限が60日以内の車両を上に表示してください。

始め方

  1. 1 まず1か月分の運転日報(Excel)を AI チャットに渡し、表のまとめ方と記入漏れの拾い方を試します
  2. 2 よく電話で聞かれる納品先を3か所選び、引き継ぎエージェントで手順書の案を作ります
  3. 3 手順書を人が確認して Wiki に載せ、ドライバーからの質問に AI が答えられるか試します
  4. 4 遅延報告の型が決まったら、下書きから運行管理者の承認までをワークフローにします
  5. 5 点検記録の入力先を決めてから、毎週の拾い出しを定期タスクにします

AI に任せないこと・人が確かめること

  • 運行の可否、拘束時間や休息期間の基準への適合、点検結果の扱いは運行管理者・整備管理者が判断します。AI の集計は確認の材料です
  • 法令や告示の解釈を AI の答えで決めないでください。所属する協会や専門家に確認します
  • 荷主への報告は送る前に必ず人が読み、事実と違う点がないか確かめます。送るのは人です
  • 事故の原因が確定する前に、下書きに推測を書かせないよう指示文で明示します
  • ドライバーの氏名・免許・健康状態などの個人情報は必要な範囲だけ入力し、見られるメンバーを絞ります

AIチャット・ワークフロー・定期タスク・Wiki はフリープランから使えます(フリープランは 1 名まで、初期クレジット 500)。ミニアプリとブラウザエージェントはベーシックプラン(月額 20,000 円・税込)以上です。

よくある質問

運転日報が手書きの紙です。そのまま使えますか?

AI に渡すのは、Excel やテキストに入力した記録です。まずは月末に転記している表をそのまま渡すところから始めると、手間が少なく試せます。

デジタコや運行管理システムとつながりますか?

直接つなぐ機能はありません。システムから書き出した CSV や Excel を AI チャットに渡して、整理や見比べに使えます。

荷主や納品先が多く、手順書が作りきれません。

問い合わせの多い納品先から1か所ずつ、引き継ぎエージェントで聞き取るのがおすすめです。1回の聞き取りで1ページの案ができ、人が確認してから Wiki に載せます。

料金プランはどれが必要ですか?

AIチャット・ワークフロー・定期タスク・Wiki はフリープランから使えます。フリープランは 1 名まで、初期クレジット 500(月ごとの配布はなし)です。ミニアプリとブラウザエージェントはベーシックプラン(月額 20,000 円・税込)以上です。