農業のAI活用|作業日誌のまとめ・出荷記録・補助金書類の下準備

畑やハウスから戻ってからの記録と書類づくりは、繁忙期ほど後回しになります。ここに載せたのは事例ではなく、明日から試せる作業ごとの使い方と指示文です。夜の事務の時間を少しでも短くするところから始めます。

農業で時間を取られていること

  • 作業日誌がノート・カレンダー・スマホのメモに散らばり、圃場ごとの作業が追えない
  • 出荷先ごとの数量や規格を、伝票を見ながら月末にまとめ直している
  • 補助金の募集要項を読み込み、必要書類をそろえるのに夜の時間が取られる
  • 収穫期にパートや研修生が増えるたび、同じ作業の説明を繰り返している
  • 農薬や肥料の使用記録を、取引先や認証の求めに合わせて整えるのが大変

作業ごとの使い方と指示文

1. 作業日誌の月次まとめ

使う機能:AIチャット
今のやり方
その日の作業をノートやメモに書き、月末に圃場別・品目別に数え直しています。誰がどの圃場で何時間作業したかが後から分かりにくいです。
AI を使うと
1か月分の日誌を Excel やテキストにして AI チャットに渡すと、圃場別・作業別の表にまとめ、日付や圃場名の書き方の揺れもそろえて一覧にします。
指示文
添付は9月分の作業日誌です。圃場別・作業別(播種・定植・防除・追肥・収穫など)に、日付・作業者・作業時間の表にまとめてください。圃場名の書き方が揺れているもの(「北の畑」「北圃場」など)は候補を挙げて確認させてください。記録が抜けている日も一覧にしてください。

2. 出荷の記録を週ごとに整える

使う機能:定期タスク
今のやり方
JA・直売所・飲食店など出荷先ごとに伝票やメモの形が違い、品目別の出荷量を週ごとに集計し直しています。
AI を使うと
出荷の記録を決まった表に入れておくと、毎週決まった曜日に AI が出荷先別・品目別・規格別にまとめ、前の週との差を一言添えます。
指示文
毎週月曜の朝に、先週分の出荷記録を出荷先別・品目別・規格別にまとめてください。数量の合計と、前の週と比べて大きく増えた・減った品目を短く書き添えてください。単価や売上の見込みは書かなくてよいです。

3. 補助金の申請書類の下準備

使う機能:AIチャット
今のやり方
募集要項や公募のページを読み、必要書類と締切を自分でメモしています。事業計画の文章も白紙から書いています。
AI を使うと
募集要項の PDF や Word を AI チャットに渡すと、必要書類・締切・記入欄の一覧と、手元で用意する資料のチェックリストに整理します。計画の文章は、自分のメモをもとにした下書きまでです。対象になるかどうかは募集元や指導機関に確認します。
指示文
添付は補助金の募集要項です。必要書類、提出期限、記入が必要な項目、添付する資料を表にまとめてください。私の経営で準備に時間がかかりそうなものに印をつけてください。対象になるかどうかの判断はせず、要項の中で読み取れない点は「募集元に確認」と書いてください。

4. パート・研修生向けの作業手順書

使う機能:引き継ぎエージェント
今のやり方
収穫や選果、袋詰めのやり方を、毎年シーズンの初めに口頭で教えています。規格の見分け方は人によって説明が違います。
AI を使うと
引き継ぎエージェントが作業ごとに質問し、手順書の案にまとめます。手持ちの選果基準表(Excel や PDF)も読ませられます。案は人が確認してから Wiki に載せます。
指示文
収穫と選果の手順書を作りたいです。私に1つずつ質問して、品目ごとの収穫のタイミング、道具、規格の見分け方、傷ものの扱い、箱詰めの数、作業後の片付けと衛生のルールを聞き取ってください。品目ごとに Wiki ページの案にまとめてください。

5. 作業のやり方の質問に答える

使う機能:Wiki
今のやり方
「この箱は何個入り?」「B品はどこに置く?」と作業中に何度も呼ばれ、自分の作業が止まります。
AI を使うと
手順書を Wiki に置いておけば、パートさんの質問に AI が Wiki を読んで答えます。書いていないことは「記載なし」と返すように頼んでおきます。
指示文
Wiki の選果の手順書を読んで答えてください。ミニトマトの直売所向けの袋は何グラム入りで、B品はどこに置きますか。Wiki に書かれていないことは「記載なし」と答えてください。

6. 防除・施肥の予定をカレンダーで共有する

使う機能:Google カレンダー連携
今のやり方
防除や施肥の予定を経営者の頭とホワイトボードで管理していて、家族や従業員と予定がずれることがあります。
AI を使うと
AI に頼むと、HARVASK のカレンダーに作業の予定を1件ずつ入れます。Google カレンダー連携をつないでおけば、その予定は Google カレンダーにも同期され、家族や従業員がいつものカレンダーで確認できます。使う農薬や希釈倍率は、必ずラベルと指導機関の情報で人が決めます。
指示文
来週の防除と施肥の予定を HARVASK のカレンダーに入れてください。10月21日(火)午前 北圃場の防除(担当:山田(サンプル))、10月23日(木)午後 第2ハウスの追肥(担当:佐藤(サンプル))です。予定名は「作業名・圃場名」の形にし、露地の作業には説明欄に「天候次第」と書いてください。薬剤名と希釈倍率は私が入れるので空けておいてください。

始め方

  1. 1 まず1か月分の作業日誌をテキストや Excel にして、AI チャットで圃場別の表にまとめてみます
  2. 2 出荷の記録を入れる表の形を1つに決め、週ごとのまとめを定期タスクにします
  3. 3 シーズン前に、いちばん人に教える回数が多い作業を1つ選び、引き継ぎエージェントで手順書の案を作ります
  4. 4 次に応募を考えている補助金の募集要項を渡し、必要書類のチェックリストを作ります
  5. 5 家族や従業員と予定を共有したい場合は、Google カレンダー連携をつなぎます

AI に任せないこと・人が確かめること

  • 補助金や制度の対象になるか、どの経費が認められるかは AI では判断しません。募集要項・募集元・指導機関で確認します
  • 農薬の種類・希釈倍率・使用回数・収穫前日数は、ラベルと指導機関の情報で人が決めます。AI に決めさせないでください
  • 申請書類は提出前に必ず自分で読み直し、数字や事実が正しいかを確かめます
  • 従業員や研修生の氏名・連絡先、取引先との単価などは必要な範囲だけ入力し、見られるメンバーを絞ります
  • AI のまとめは記録の整理です。作付けや出荷の判断は、畑の状態を見て人が行います

AIチャット・ワークフロー・定期タスク・Wiki はフリープランから使えます(フリープランは 1 名まで、初期クレジット 500)。ミニアプリとブラウザエージェントはベーシックプラン(月額 20,000 円・税込)以上です。

よくある質問

作業日誌は手書きのノートです。どうすればよいですか?

AI に渡すのはテキストや Excel に入力した記録です。最初は1週間分だけ打ち込み、まとめ方を試してから続けるかを決めると負担が少ないです。

補助金の申請書を AI が全部書いてくれますか?

要項の整理とチェックリスト、自分のメモをもとにした文章の下書きまでです。対象になるか、何を書くかは自分で決め、必要なら指導機関や専門家に相談してください。

パートさんにもアカウントが必要ですか?

Wiki の手順書を見て AI に質問するには、メンバーとして参加してもらう必要があります。フリープランは 1 名までなので、人数が増える場合は有料プランを検討してください。

料金プランはどれが必要ですか?

AIチャット・ワークフロー・定期タスク・Wiki はフリープランから使えます。フリープランは 1 名まで、初期クレジット 500(月ごとの配布はなし)です。ミニアプリとブラウザエージェントはベーシックプラン(月額 20,000 円・税込)以上です。